昨夜はパリからお誘いがあり、Zoomでセミナーに参加した
懐かしい顔を拝むことができたのは幸いであった
テーマは免疫で、できるだけ統合的に見ようとする内容だった
久し振りの科学セミナーだったが、居ながらにしてのZoomで興味深い世界が広がることを実感
これなどはCOVID-19のために見えてきた新たな可能性で、今後も続けてほしいものである
さて、今月も振り返る日が来た
少し長期で振り返れば、こうなるとは知らずに一時帰国したのが丁度2年前の今月であった
あれから知らない間に2年もの月日が流れたことになる
最初の1年は様子を見るのに費やされ、昨年春には当分自由な移動は難しいと判断した
暫くは落ち着くことにして、夏には荷物を引き上げた
そして昨年暮れからはアトリエでの生活が組み込まれた
そのお陰だと思うが、それ以降濃密な時間――そこでは時間が消えているのだが――の中におり、今月も例外ではなかった
そんな中、今月は以下のようなことをやっていた
1)「医学のあゆみ」のエッセイシリーズを纏めた本のゲラ校正
3月12日号にシリーズ最終回となる105回目のエッセイが出た
タイトルは「『人類の遺産に分け入る旅』を超えて」とし、これからに向けての大雑把な展望を纏めてみた
10年に亘るシリーズがこれで終わり、これからその解析が可能になった
今回の本は、わたしが根源的に重要だと考えているテーマを中心に纏めることになった
今月はそのゲラの校正を3回繰り返した
対象になっている「ひと・もの・こと」はかなり多岐に亘っている
それらの全体を眺めると、そこに一つの思想の塊が見えてくるように感じる
ただ、それを特徴付けることは自分ではできない
また、これがどのような印象を与えるのかについても同様である
いずれにせよ、これでわたしの手を離れたことになる
あとは見守るだけである
6月には刊行されるとのことなので、お読みいただければ幸いである
2)免疫に関するエッセイのバージョン3.0の作成
これは現在も進行中で、最終段階に来ている
この過程でわたしが考えていたことの全体がより明確になってきた
手薄なところには手を加えたが、全体的な枠組みはそのままとすることにした
このバージョンが完成すれば現段階での最終形になる
終わり次第、次のステップに進むことにしたい
3)テレビのチャンネルを変えた時に偶然聞えてきた言葉のメモ
それは繭山浩司という修復師が発した「時間をかければかけるほど、よい仕上がりになる」という内容の言葉
当然と言えば当然なのだが、今月はある意味で修復師のような細かい最終タッチを加える作業に明け暮れていたので、この言葉に反応したのだろう
言葉として記憶に留め、今後の行動を拘束するように願いたいものである