第3の問題が化学の側から現れた
ジョン・ドルトン(1766-1844)は、質的に異なる行動をする多くの種類の物質を同定した
それらは元素(element)と呼ばれ、それぞれが独自の物理的特徴を持つ原子(atom)の種類から構成される
しかし原子とは、量的な性質以外持ち合わせていないものであった
実験の結果、一つの元素の原子は他の元素の原子と質量が異なることが明らかになった
従って、物質の究極の粒子は質量が均一なのではなく、原子量が多様なものとして見なければならなくなったのである
さて、物理的量と化学的質の間の溝を埋める難しさ――すなわち、なぜ1つの原子量を持つ物体が特定の化学的反応をするのに、少し原子量の異なる物体は別の反応をするのかを示すことの困難――は別にして、物質の粒子論は、物理学者から見れば、全ての原子は同じ質量を持つという前提を必要とした
なぜなら、物質の根本的粒子である原子を物質の単位として見做していたからである
わたしが二世代前の科学文献に大きな位置を占めていたこれらの論争を参照するのは、物理学における現代の発見や理論が齎す状況が非常に奇妙なため、単純で理解可能な理論を人びとが信じていた古典物理学と呼ばれる古き良き時代を羨む溜息を洩らしたくなるからである
このような単純な理論は一般向けの手引書にしか存在しないことは覚えておく価値があるだろう
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