ニュートン(1642-1727)は、重力とはある特殊な種類の衝撃の特殊な効果か――彼自身はこれが運動の唯一の物理的原因であると常に見ていたのだが――あるいは非物質的原因の効果のどちらかに違いないと信じていた
19世紀中頃に入り、著名な物理学者がニュートンの反論を幾度となく繰り返したが、誰一人としてそれに答えなかった
運動の相容れない二つの原因、衝撃と重力はどのような関係にあるのか、という問いに対して満足のいく解決には至らなかったのである
複雑な状況はここで終わらなかった
ニュートンは彼の粒子が動く空間を空虚なものとして考えたが、後に物理学者はそこに光の波動を説明するために必要となるエーテルが満たされていると考えざるを得なくなった
エーテルは、粒子に分割されない均一で均質な物質で、粒子の運動による波動のような乱れを伝達するのがその機能であった
従って、全ての運動はエーテルの中で行われるものだが、エーテルはいかなる抵抗ともならない
物質とエーテルという2つの概念に折り合いをつけるのが難しいことは物理学者には自明であったが、その困難を乗り越えるためのあらゆる試みが行われた
一方では、粒子の構造をエーテルに帰すること、すなわち、エーテルを非常に希薄な気体としたり、光を動く粒子の流れとしたりすることだが、いずれも実験事実の前で破綻した
他方、物質をエーテルの中の局所の乱れや核形成から構成されるとする試みもあったが、そもそもエーテルは均質で一定なものとされていたのである
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