2022年12月5日月曜日

コリングウッドによる自然(54): ヘーゲル(9)




























予想よりも早くゲラが届いた

今週はその校正に使われることになる

当初のように、横書きが縦書きになっていることに新鮮な驚きを感じることもなくなっている

先日、参考文献について触れたが、本文中の数字はわたしの目には見えない大きさなので、気にすることなく読み進むことができるのではないだろうか

さて、本日もコリングウッド(1889-1943)によるヘーゲル(1770-1831)である



ヘーゲルは古代ギリシアを崇拝し、その芸術、文学、思想を熱心に研究したドイツ人世代に属している

ヘーゲルの自然哲学の有機体論や反機械論は、古代ギリシアの思想から拝借することにより18世紀の未解決問題が解決された哲学であると安易に記述されるかもしれない

わたしが安易にと言うのは、このような記述方法が影響とか借用について語られる表面的な歴史の特徴的なものだからである

このような安易なフォルミュールに満足しない思想史家は、ヘーゲルが18世紀の思想の隙間をプラトン(427 BC-347 BC)やアリストテレス(384 BC-322 BC)のパテで埋めたとは見ないだろう

寧ろ、自身の自発的な発展により、18世紀の思想が十分に成熟したため、プラトンやアリストテレスを理解できるようになり、その結果、自身の問題を彼らが議論していた問題と結び付ける地点にヘーゲルを見るだろう

しかし、ギリシアの観念との接触があったため、ヘーゲルは自分の世代の実践生活との接触を失ったのである

ヘーゲルは革命的であった

彼の自然観は、意識的に科学研究の正しいやり方についての革命的結論に至った

彼はガリレオ(1564-1642)から直接アインシュタイン(1879-1955)に行きたがったのである

しかし彼は、ニュートンにとって良いことは将来のすべての世代に良いと主張する反革命の世代に生きていた

ヘーゲルと彼の同時代人との論争は、彼の思想における不一致から生じたものであった












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