このところコンシュさんの話を聴いているが、その中で最も重要な概念の一つに "phusis"(自然)があることが分かってきた
"phusis"は、存在するすべてのもの・こと、無限、すべてを包み込むものなどと紹介されていた
ここでもう少し詳しく、この概念についての研究を眺めてみたい
ある研究によれば、4つの意味が提示されているという
一つは、原初のものという解釈である
イオニアの哲学者はすべてのものの一つの"phusis"を探究したという意味合いで使われているという
彼らが世界を構成すると考えた水とか火とか空気などのアルケー(始まりとか原理)に当たるものだろう
第二は、過程の意味で使われている
ソクラテス以前の哲学者は過程に重点を置いたと考える人たちの解釈である
例えばコリングウッドは、彼らにとっての自然は、世界とか世界を構成するものを意味するのではなく、それらのものに内在するそのように行動させる何かであると考えていた
第三は、原初のものと過程の両方が含まれているとする解釈である
一方で成長とか出現を意味し、他方で成長した元のところ(起源)を意味する"phuomai"という動詞と同義であると理解する人がいる
ターレスにとって水は"phusis"と同義で、アルケーであると同時に完成した現実を生み出す要素と見ていたという
そして第四は、起源であり、過程であり、結果だとする解釈である
それは、アルケー(すべてを生み出すもとにあるもの)であり、成長の過程であり、その過程の最終産物である
つまり、宇宙の起源と成長、最初から最後までを含んでいる
宇宙の起源と進化、そしてその結果としての今見えている世界のすべてに興味を示す解釈と言えるだろう
そう考えると、この言葉に含まれる世界はかなり壮大なものになる
頭の中を極限まで広げなければならないことが改めて分かる
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